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訳が分からない、気付いているのだ「この」状況に、しかし身体が動かない 「動けない」 怖い、心からそう思う。
でも本能が危険と思っていない、そんな奇妙な体験 彼の口はそんな私を尻目に動いていた。
「君ももう感じてるだろ?異常だと思うだろ?そういわば君は私の「認識」によってここにとどまっているんだ」
私は彼の言っていることが素直に分からなかった。それでも彼は説明を続けた。
「私が私自身の異常に気付いたのは世界の在り方というものに興味を持ったときからだ。私はまず世界が何で出来ているか考えた、物質、夢、妄想、神、無あらゆるものを考えた。
そして認識によって出来ているのではないかと思ったんだ。自分の脳の認識で
そうしたら世界の在り方、存在理由、そして何で出来ているのかが自分の中で納得したよ。
この世界は私を楽しませる為に存在している私の認識の中の世界なんだと・・・
戦争しているのも、社会があるのも、物質があるのも、心も、体も、この「世界」全ての物が私の認識によって作り出されたものだと。
その結果私は思ったんだ。 「なんて異常な世界なんだと」
そのときから、私は「異常」になった、存在自体が「異常」になった。
「異常」をコントロールするのは大変だったよ、十年はかかった まあ、それでもちっぽけな時間だがね?
今の私は「せかい」に干渉出来て「セカイ」の異常を管理出来るようになってしまったんだよ。
私は毎日の異常が退屈で窮屈で堕落で面倒でつまらなくて眠気が出るほどに大っっっっっ嫌いだった。
しかし、そんな私の前に現れたのが普通の君だった・・・
君をずっと待ち望んでいた。
君をどれだけ探したことか・・・」
異常な男は涙を浮かべて笑みを露出させていた。
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