チャーリー博士とブラウン助手

大切な人

聞いたら信じられない話だと思うが、ジャックという人はあるところでは別の女性と結婚していたり、あるところでは学生として学校に通っていたり　老人ホームで保護されていたりしているというらしい

つまりこの人の話が正しければジャックは複数人いるということになるが、さらにおかしいのが
ここの街全ての人がジャックという名前を知っているということ

ジャックがいくら有名とはいっても街全体に名前が同一の人物がそういっぱいいるはずがない。

女性の話を聞き終わるとチャーリー博士は引きつった笑いを浮かべながら立ち上がり女性のてを握って握手を交わした。

女性はチャーリー博士の顔を見ると若干ひいていたけど

チャーリー博士は女性にジャックを必ず見つけると約束すると女性は深く頭を下げてお礼をして別れの挨拶をしながら去って行った。

チャーリー博士はそれを見送ると私のほうに振り返り言った。
「君はさっきの話を聞いてどう思うかね？」

私は少し悩んだが常識的に考えて
「さっきの話はそもそも嘘なんじゃないですか？なんか胡散臭いですし、きっとからかわれてますよ」と答えてみた

すると博士は笑いを抑えるのに必死な顔をしながら、ふぅと一息吐いた後に
「では実際に街にでて街の人たちに聞いてみようか、そうすれば君の常識は次第に、ゆっくり、脆く、豪快に、ぐちゃぐちゃにくずれるよ」

そう言って博士は研究所の扉を開けた後に私に手招きをした。