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「猟師さん!おおかみがいたの!おおかみが私を食べようとしたわ!」
「なに!?それは危なかった、ケガはないか?」
「ええ、それは大丈夫よ」
間一髪逃げ切れたおおかみは、木の陰からまた赤ずきんを見ています。
(音もなく近づいたはずなのに…くそっ、あともう少しのところで!なんで気づかれたんだ…)
おおかみは自分の獣臭に気づいていません。
「赤ずきん、1人でどこに行くんだ」
「森の家のおばあさんに会いに行くの」
「そうか。気をつけて行くんだぞ。また何かあったらすぐに防犯ブザーを鳴らせよ」
猟師は銃を構え、おおかみを探しに森の中へ消えて行きました。
猟師と別れた赤ずきんは、周りを警戒しながらおばあさんの家を目指します。
「まったく、なんでおばあさんはこーんな森の中に住んでいるのかしら。まるでおおかみに食べてくれって言ってるみたい」
ぷりぷり怒る赤ずきんのひとり言をおおかみは聞き逃しませんでした。
(おばあさんの家に行くんだな。森の中の家はあそこしかないから…先回りして待ち構えてやろう)
おおかみは大急ぎでおばあさんの家に向かいました。
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