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(しめしめ…気づいてないぞ。先回りしておいてよかった。ばあさんはいなかったけどな…)
赤ずきんはおおかみに気づく素振りを見せず話を続けています。
「やっぱり森の中で1人暮らしなんて危ないんじゃない?」
「そうだねぇ…」
「あら?おばあさん、そんなに耳が大きかった?」
布団からはみ出したおおかみの耳を見て赤ずきんはたずねました。
「大きくしたんだよ。お前の声がよく聞こえるようにね」
「そう…あれ、目も大きくなってる?」
「ああ、お前のことをよく見るためにね」
(いよいよ食べれるぞ。幼い子どものお肉は柔らかくて美味いんだろうなぁ…)
「まぁ、そうだったのね。あ、そうだ!おかゆ作ってあげる!」
「え、ええ!?」
「どうしたの?」
「いや、もう1つ聞くことが…あるかなーって…」
赤ずきんはキョトンとした顔でおおかみを見ます。
「何を聞くの?」
「あ、あぁ…いや、おかゆ作ってくれるか?」
「わかったわ。ゆっくり寝て待ってて」
(まぁ、焦ることはないか…。おかゆが出来たらおかずとして赤ずきんを食べよう)
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