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グツグツと、おかゆを作る音が聞こえてきます。
(うーん…なんか眠くなってきたなぁ)
布団に包まれているおおかみはだんだんと睡魔に襲われていきます。
「さぁ、おばあさんできたわ。食べさせてあげる」
「!ああ、ありがとう。楽しみだよ」
(いよいよだ…!)
赤ずきんはベッドの近くに座り、おおかみを起こします。
「ガオーーーっ!待ってたぞ赤ずきん。お前をくっ…あつっ!あつっ!」
起き上がると同時に口を大きく開き、赤ずきんを食べようとするおおかみでしたが口の中に熱さが伝わりました。
「…作ってる時に思い出したの」
熱さの正体は、赤ずきんが口に投げ入れたおかゆでした。
「そういえば、おばあさんはひどい潔癖症でいくら孫の私が作ったものでも決して食べないのよ」
「な、なにっ!?」
「私を騙して食べようなんて百万年早いわ」
赤ずきんは防犯スプレーをおおかみに向かって発射しました。
「ギャーーーー!!!」
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