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「出来るなら全て運んで行きたいところだけど、数が多過ぎるから。持って行く本は、箱ひとつ分にしようと思っているの」
「そうだったんですか」
すぐに終わるの意味が分かって、床に置かれていた本を手に取る。
「じゃあこの本達は、リリージューンさんに選ばれた子達、ってことですね」
「まぁそう言うことね」
「でもひとつ思ったんですけど。ここの本、全部読まれたんですか?」
「さすがにまだ。全部読むのが私の目標だったのに」
残念だわと苦笑して、丁寧に箱の中に入れていく。
「でもこれだけは読みたいって言うのも、何冊か持って行くから、新しいホームでも退屈はしないと思うし」
ここで箱ひとつ分が詰め終わった。
「せっかく手伝いに来てくれたのに、ごめんね」
「いえ。結局は何も出来てませんし」
今度私が苦笑いを浮かべる。その気持ちが嬉しいのよと、優しく微笑んでくれた。
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