『F』『7』

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私の後に洋平が中に入って来て、中から鍵を閉めた。 初めて入る校長備品室は、埃(ほこり)っぽい。 そしてカビ臭い匂いがする。 壁の上には歴代の校長なのか。額縁の写真立てが並んで掛けられている。 中のあちこちには、使われなくなったのであろう。机や本棚が置かれていた。 またこの部屋には窓がひとつしかなく。しかもそれ程大きくないので、中の光はとても薄暗い。 電気のスイッチはないものかと、壁を手探りする。 指に当たった感触からスイッチだと分かり、パチッと押してみるが。 電気は付かなかった。 「で、何処にその変な扉がある訳?」 薄暗いとは言え、周りを見てもそれらしき物は見当たらない。 「何処だろうなー?そんな分かりにくい所じゃないと思うんだけどなー」 そう言いながら、洋平も周りを見渡す。
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