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「そうそう、そういえばさー最近、通り魔が出てるみたいだよね、やばいっしょアレ。なんか先輩の誰かもやられたらしいよ」
「あー、アタシも聞いた! 先輩相当強いってウワサだったのに、けっこー倒せないもんなんだねー」
不穏な話題だった。蛇渕さんも加わる。
「街のケンカ自慢と犯罪者を比べるのはどうかと思うよ……。なんていうか、平気で生身の人間相手に凶器を向けられるのって、明らかにウチらとは別種な気がするもん」
「先輩が言ってた。なんか黒づくめで覆面までしてて、棒で殴られたんだって。身構えるヒマもなく一撃カマされたみたいよ。コワ……」
「不意打ちなんだよね。そんでなんか先輩の仲間連中が殺気立ってるんだよね。それにしてもなんなんだろうね、その黒いやつら。やっぱりこの土地に関係があるのかな」
女子らは蛇渕さんに視線を向けた。
「どうだろう? 神さまがいると信じたけれど、その人は不幸なままでぜんぜん神さまの救いがなくて、裏切られたと思い込んだ。そんで逆恨みして八つ当たりでもしているんじゃない?」
「あー、ありそう、さすが樒だ」「カテキョ雇ってる人間は違いますな」
うんうん、と女子二名はそろってうなずき笑いあう。
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