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「カテキョ関係ないない! てかふたりだって塾に行ってるじゃん! ウチのは親戚だし」
「やっぱ、リラックス度が違うよ」「そうそう」
「何ソレ!?」
「ハハーハッ、ハハー!」
感情の込めかたを忘れたみたいにからからな笑い声が響く。僕の口からほとばしり出たものだ。笑いかたの加減をしくじって、作り笑いみたいになってしまった。
まずい、こっち見てる。どうする。――どうするもこうするも何か言いつくろうほかはなかった。
「じつにゆかいなやり取りだったよ」自分の言葉にお前は誰目線だよと内心でつっこむ。気を取り直してなんとか話を広げようとする。「というか、危ない人もいるもんだね。僕も蛇渕さんの予想は近いと思う」
「そんな理由で暴行に至ることがあるのなら、これまでそんな人間が出てこなかったのが不思議だ」
文学くんが口を挟む。蛇渕さんはうなずいた。
「たしかに」
蛇渕さんの連れはそろって文学くんに視線を向ける。
「これまでに暴力に走る人間がなかったのは神さまがちゃんと救ってくださっていたからだっての!」
「そうそうアタシらの神さまの救いっぷりなんてまじハンパねーから!」
「そ、そうかい……じゃあ別口の神を信じる者か。なんにせよ、その神はとんだ怠け者のようだ、暴行犯は複数らしいといううわさもあるんだ」
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