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1st person
僕はその時、学校から家に帰る途中だった。
その日は朝から雨が降っていて、ジメジメとした空気とどこか重苦しい空気だった。
僕の通う学校の体育館を放課後に使用する部活は主に3つ。
ぼくの所属している男子バスケ部。
そして女子バレー部。
男女混合のバトミントン部だ。
体育館は小さくて、ネットで仕切って半分ずつ体育館を使っても、2つの部活しか使えない。
だから一週間ごとに3つの部活でローテーションが組まれ、今日はバスケ部は体育館が使用できなかった。
普段こういう時は学校の周りを走ったりするのだが、今日はあいにくの雨。
バスケ部は帰るしか選択肢がなかった。
僕は自転車で通学をする生徒だ。
しっかりレインコートを着て帰るが、これが熱くて仕方ない。
それに、レインコートのこの独特の匂いが僕は嫌いだった。
車通りの多い道路を走る。
ボーッとしながらあえて水溜りの上を走り、横に跳ね飛ぶ雨水を楽しむ。
水溜りの上を通り過ぎた時、信号機は点滅していた。
スピードを上げれば間に合う。
そのまま横断歩道の横に入ろうとしたその時だった。
曇り空が段々広がり、次第に視界を多い尽くした。
曇り空が広がったのではなく、視界が眩しくなったと言った方が正解かもしれない。
横断歩道の真ん中辺りまで来た時、僕は体から力が抜けたような、自分の体の上側に飛んでいくような気がしたんだ。
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