プロローグ

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彼が飛び出した先には男女の学生が1人ずつ見えた。 この事故に巻き壊れた者達だろう。 男子学生は少し透けた白色のレインコートの下に、この近くの高校の服を着ていて、鼻が高く整った顔をしているのが彼には見えた。 女子学生はここから少し離れた、学校の服を着ていた。 身を投げ出して、身体が浮いてる間の出来事だ。 彼女は向こうを向いていて、顔が分からなかった。 ただ、髪は日本人ではない、綺麗な金髪。 いや、色素が抜けたように見えるその髪は黄色混じりの銀色に近いかもしれない。 そして、この刹那の時の中で最もジャックが目を奪われたのは、男子学生の体が光輝き、消えかけていること。 そして、それにつられるように、女子学生の体と視界の中に映る自分の腕が輝きだしたこと。 次第に彼の視界は真っ白になる。 眩しくて彼は目を瞑った。
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