1人が本棚に入れています
本棚に追加
3rd person
ジャックが受身を成功させ、流れるように立ち上がり振り向く。
「fuck!急に出てくんじゃねーよ!Son of a bitch!お陰でクルマが……あ?」
そこには誰もいなかった。
誰もどころか、事故現場すらない。
ただただ、木が生い茂り、赤い夕陽が枝や葉の間から差し込む森の中だった。
「どこだここは?」
事故の中でも外れなかったサングラスを取りながら呟く。
「……まさか、めちゃくちゃぶっ飛ばされたか?」
そういいながら彼はサングラスと入れ替えに、スーツのポケットから携帯を出す。
彼はその時に気が付いたが、左腕の人工皮膚が受身の衝撃で、一部破れていた。
携帯の画面をつけ、救急車を呼ぼうとしたが、電話が繋がらない。
何度やっても繋がらず、屋敷の人間にも電話をかけたが、やっぱりダメであった。
携帯の電波を見ると圏外の表示が出ている。
「こいつは驚きだ。今の日本に電波の繋がらないところがあるなんてな。」
そう言ってジャックは携帯をしまう。
「さて、どうしたもんか…」
最初のコメントを投稿しよう!