これは……、まさか……っ!

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朝の目覚めは悪い方ではない。今日も今日とて6時にはぴったりと目がさめた。寝相も普通、寝癖もなければ低血圧とも無縁だ。じいさん臭いと思うが、1日の始まりは朝の清々しい空気を肺いっぱいに吸い込んでから始まる。顔を洗う為、洗面所へと向かう。そこには先客がいた。 「兄さん、おはよー」 「おはよ」 「歯磨き粉切れたみたいです」 「それ歯磨き粉じゃなくて洗顔洗剤だからな、ブラシに付けるなよ」 余談だが、妹はバレー部に所属している。そのため朝練で朝は早起きをしなければならない。そのくせ朝は弱い。しかも前夜は遅くまで起きている。どうやらまだ寝ぼけているようで……。 「兄さーん、髪結ってー」 「あいよ」 そっち向けと体を回してやる。サラサラのブロンドヘアをブラシで梳かし、お気に入りの髪留めを取り出す。 「あぅ……」 いつものようにモジモジと体をくねらせる、痒いのか? 「楓、痒いか?」 「んん、大丈夫~」 楓の髪を梳かし終わり、今日はどんな感じにしたいかと聞くと、サイドテールにしたいらしい。昨日読んでいた雑誌の影響だろう。 「そうか、あぁ、そういえば今日実梨さんが帰ってくるって」
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