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興味がなかったので閉まったままのそれを、ベッドの下から引っ張り出す。箱は大量の埃をかぶっていたので叩いて落とす。ゲホッ、ホコリが……。
「安土城か。えっとピースの数は……んん?」
……これ立体パズルじゃん。……え?大きさ30センチ……2万ピース。ふぁ! 馬鹿じゃねえの?もはや模型。
「……誰が作るんだよ」
なんだかんだで暇をつぶせそうだ。
その後パズルと3時間の死闘を演じ、見事5分の1を完成させた(台座のみ)。せめて石垣(土台)位は作った状態で売って欲しい。
「それにしても……、今日は暑いな。喉が渇く」
確か戸棚の奥に……あった。
「やはり、カモミールは最高だ」
ハーブティーこそ究極の飲み物だと俺は思っている。ハーブが好きな俺はハーブティー専門の喫茶店でバイトをしている。
「よし、パズルの続きを……」
ピンポーン。
パズルを再開しようとした時、少し掠れたインターホンの音が家内に響く。
「たっだいまーん!蛍夜はいるか!我はご馳走を要求す!」
「あ、おかえりなさい実梨さん」
「うーん! すっげー疲れたー! もう飛行機は嫌いだ! そして日本は暑い! 汗かいた! シャワー浴びたい! お腹空いた!」
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