1人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「あー、姫、じゃない蛍夜だ。蛍の夜で蛍夜。宜しく……、えっとアーニャちゃん」
握手位は分かるはずだと思い、手を出す……のだが。
「……」
「……」
「……」
「……what?」
「……」
「……」
首を傾げたまましばしの沈黙が場を制す。
「えっと……」
「……ミノリ! ミノリ! 今のはドンナ意味?」
あー、やっぱり知らないのか。外国の人は握手しないって本当なのかな。
「握手だね。えっとね?耳貸して、……で、……と……が、……手と手を……繋ぎ……するのよ」
あれ? 説明長すぎないですかね? 実梨さん。
「ニホンの文化なんデスね」
「……そうそうこれだよ。…握手握手……なんか、違うよ」
と何故かアーニャは俺の横に立つと俺の右手に指を絡めて来た、これは恋人繋ぎというものである。……柔らかい手だな。じゃねえ。
「アーニャちゃん、これ握手じゃない」
「え、えエ? でもミノリが教えてくれまシタ!」
「実梨さん……」
俺は両手をポケットに入れてカッコをつける。
「あっははは! 何かな蛍夜君! カッコなんか付けちゃって!」
「蕎麦のお供はとろろで良いですね?」
「蛍夜君ごーめんねえー!! ネバネバは嫌だぁ!」
最初のコメントを投稿しよう!