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「ちゃんと考えてるよな? 部活動紹介の内容」
「もちろんだ。俺を誰だと思っているんだ」
「変人」
「間違っていない!」
「胸はって威張ることか!」
ハッハッハとわざとらしく笑う語部を見て、ため息がもれる。
「本当に頼むぞ、部活動紹介・・・」
僕の懇願に、語部は胸を張ったまま、
「まかせろ! 堂々と『坊っちゃん』を朗読してやろう!」
「夏目漱石―!」
「『吾輩は猫である』でも良いなぁ!」
「なんで文学作品を朗読するんだよ! 頼むから部活動紹介してよ!」
「大丈夫だ、問題ない!」
「それ問題だらけのやつじゃないか!」
「大丈夫じゃない、問題だ!」
「どっちにしろダメじゃないかああああああああああ!」
大笑いしながら職員室へ歩き去っていく語部。
玄関へ向かいながらガックリと肩を落とす僕。
はたして、新年度へ向けて一抹の不安を残しつつ、帰路へつくのであった。
いや、マジでどうなるんだ部活動説明会。
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