仲間

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7月に入ると、夏の全国高等学校野球選手権大会の県大会が始まった。 僕のチームは、1回戦を勝ち抜くことができて、このこと自体、快挙だった。 2回戦に入ると、やはり対戦相手の高校のレベルが、格段に上がることを感じた。 僕のチームは、それでも何とか勝ち抜き、あれよあれよという間に決勝戦に進むことができた。 僕の高校が1回戦を勝ち抜くだけでなく、決勝戦まで勝ち進むことができたのは、誰も予想していなかったに違いない。 決勝戦が始まると観客の数も多くなり、注目度が違っていると感じた。 僕はピッチャーで、連日の投球で肩が悲鳴を上げていた。 それでも僕は、懸命に投げ続けた。 決勝戦の対戦相手は、やはりこれまで戦ってきた相手とは、格段にレベルが高いと感じた。 僕は打ち崩されて、とても太刀打ちできる相手ではないと感じた。 バッティングでは、相手投手に抑えられて、まったくヒットが打てない状況だった。 5対0と点差が5点となった7回裏の攻撃の時、僕たちはベンチ前で円陣を組んで、気合を入れ直すことにした。 その時、涼太が、 「優勝トロフィーは、いらないよ!  でも、最後まで諦めずに、とことん戦いたいよ!  それじゃないと、たぶん僕たちは後悔すると思う!」 と発言した。 この発言に、一緒に円陣に入った玲奈も、 「最後まで、頑張ろうよ!  皆ここまで頑張ってきたんだから、きっとできるよ!」 といつものように元気に大きな声で、皆を励ましてくれた。 僕が、 「いくぞー!」 と掛け声をかけると、 皆自分の気持ちを奮い立たせるように、 「オー!」 と気合の一声を叫んだ。
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