0人が本棚に入れています
本棚に追加
7回以降、僕は最後の力を振り絞った気合の投球で、何とか0点に抑え込んだ。
攻撃も、これまで考えられないような皆の気合のバッティングで、ヒットと盗塁が決まり、7回と8回で4点を入れて1点差に詰め寄った。
9回裏は、相手チームも必死に抑え込んできて、なかなか点を入れることができない状態で、1塁にランナーを1人出したが2アウトと追い込まれてしまった。
次のバッターは、僕だった。
僕は、気合を入れて打席に入った。
相手投手のボールをしっかり見極めようと、僕は相手投手を凝視した。
初球のボールが投げ込まれた時、このボールはチャンスと思い、僕は思い切りバットを振った。
すると、打球をバットの芯でとらえることができ、するどい打球がレフト方向に飛んでいった。
ホームラン性の当たりだったが、レフトのフェンスぎりぎりのところで僕の打球は失速し、レフトの選手にキャッチされてしまった。
「アウト!」
という審判の声で、ゲームセットとなった。
僕のチームは、最後まで食い下がったが、あと一歩およばず負けとなった。
僕は、目から涙が溢れ出て、止まらなかった。
この試合に負けて甲子園出場の夢が断たれ、僕たちの長い夏は終わった。
最初のコメントを投稿しよう!