22人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
´
「あ、あなたは、って何だいキーコ?
お前とは十日ばかり前に別れたばかりじゃないか」
おかんはそう言って煙管(きせる)を叩きました。
かんがん ふーーーーっ
「おかん様!
キーコとおかん様は十日ほど前かも知れませんが、
俺の場合は二十三年間もキーコを待ったんですよ!」
アニーは拳を震わせてそう叫び、
おかんはゆっくりと振り向き、目線を合わすのでした。
「あら~~
化け物じゃなかったアニー悪かったね、ちょっと手元が狂っちまってね」
「ちょっと狂っちまてぇ……
俺とキーコの時間の差は二十三間ですよ!」
「そうかいアニー。
ならその二十三年間の間でお前は不幸だったのかい?
ナズナと言う愛する妻に二人の子まで授かって」
「あ、それは……」
キーコ黙って聞いていました。
´
最初のコメントを投稿しよう!