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「わー!遅刻ちっこくー!」
なんて昔の少女漫画では定番の言葉がある。
彼女は食パンを咥えたまま道路を走り、周りを見ていないため曲がり角で人とぶつかるのだ。
とても危険だし、ぶつかった相手がご老人であれば洒落にならないので絶対に真似しないように。
そして次。
「私、夢見る乙女!あーあ、いつか素敵な王子様が現れないかなー」
次の日都合よく転校生の王子様が現れます。
実際こんなことあるわけないし、ぶっちゃけそんな王子様なんていない。いたらこんな世界になってない。
なんて少女漫画にツッコミながら少女漫画を読む。
今の私にはトキメキが足りないのだ。
なんてったってここは女子校。
恋をしようにも相手がいない。
「いよっしゃあーーー!」
「どーした」
「赤点かいひぃー!ふぅーー!」
「爆ぜろ」
とまあこんなテンションで仲良くやっている。
ちらほら彼氏がいる子もいるが、バイト先なんかで知り合うらしい。面倒臭い事は嫌いだ。だから私はやらない。
だから出会いがない。恋もしない。
もうどうしようもないから仕方がない。
諦めて青春でも謳歌するか。
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