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待て待て。俺に妹なんかいない。
「そんなな見え透いた嘘が通るか! 俺は一人っ子だ」
まぁこんなかわいい妹がいたら最高だが――ってそうじゃなくて!
「イコールだ! お前は嘘をついてる! 分かるか?」
少女はきょとんとして悲しげに瞳を伏せる。
「でも……わたし、あなたの事知ってる……」
「へー何を知ってるって? 言ってみろよ」
少女は表情を明るくさせてから、
「うん。有村倫平 高1、童貞、引きこもり、親のすねをかじるしか能がないダメ人間、クラスメイトからのあだ名は、ナル……」
「すとーーーーっぷ!!」
俺は少女の肩を強く押さえつけた。
「よーく分かった。いや、よーく分かってるみたいだから、もういい……」
「うん……。分かった」
全部言われては立ち直れない!
しかし、本当に知っているようだし……なんなんだ。
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