第一章 サイレントポリス

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待て待て。俺に妹なんかいない。 「そんなな見え透いた嘘が通るか! 俺は一人っ子だ」  まぁこんなかわいい妹がいたら最高だが――ってそうじゃなくて! 「イコールだ! お前は嘘をついてる! 分かるか?」  少女はきょとんとして悲しげに瞳を伏せる。 「でも……わたし、あなたの事知ってる……」 「へー何を知ってるって? 言ってみろよ」  少女は表情を明るくさせてから、 「うん。有村倫平 高1、童貞、引きこもり、親のすねをかじるしか能がないダメ人間、クラスメイトからのあだ名は、ナル……」 「すとーーーーっぷ!!」  俺は少女の肩を強く押さえつけた。 「よーく分かった。いや、よーく分かってるみたいだから、もういい……」 「うん……。分かった」  全部言われては立ち直れない!  しかし、本当に知っているようだし……なんなんだ。  
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