はみ出しまとめ

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ああ、と前置きして、かすかに震える声で。 「待ってください。まだあります」 少年に近寄って、そっと彼の胸に手を当てる。 少年が不思議そうに「ん?」と呟いて、目と目があう。 綺麗な色の瞳。 大きくて、綺麗で、飲み込まれてしまいそう。 ううん、飲み込まれちゃえば良いのに。 背伸びして届く、ほおにかするような。 ほんとにほんとに精一杯の、初めての贈り物。 クリスマスに、出来なかったこと。 ほんのちょっとだけ、頑張ってみたくて。 触れたところから全部、僕の気持ちが伝わってしまえばいいのに。 「……あの、ハッピーバレンタイン」 しんと訪れた静寂に堪えきれず、先に口を開いてしまう。 本当は反応を見たかったのに、目が合わせられない。 「ご存知じゃないかもしれませんが、気持ちです」 返品不可です、と小声で付け加える。 それってずるいこと? でもどうしても貰ってほしい、受け入れてほしい。 だってこんなの初めて、貴方だけに贈るから。 恋人たちの甘いバレンタイン。 僕たちには不向きですか? いいえ、そんなことはないはず。 僕だってやる時はやるんです。 戸惑いを浮かべる瞳を見つめる。 視線と視線が混じり合って、そこに世界が生まれる。 今度は逸らさない。 僕のことも見ていてほしい、なんて。 自分らしくないのは百も承知の上で微笑む。 可愛く笑うことができたかな。 ハッピーバレンタイン。 貴方だけに、秘密の贈り物を。 *********** 如月さま宅、ノイくんお借りしました! 遅くなってしまって申し訳ないです…… ちょーーーーっとだけクレアちゃんが頑張る話でした。 本当にちょーーーーっとだけなんですけど(( 当然のようにノイくんの私服を妄想してます、ごめんなさい…… あとイラストとしてあげられなかったので、とても画質が悪いです。 そして今気づいた。 今年もイラストにチョコが(リボンしか)ない。 image=504270963.jpg
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