千夜

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 2人の慄きが理解できるようになったのは、14歳の時、30日間の眠りについた時だ。  寝ている間は年も取らないらしい、ということもわかった。  とても奇妙なことに、髪も爪も全く伸びなかったし、30日間洗わなかった顔も、つるつるのままだった。  どうやら私は、「長期間の眠りにつく」という原因不明の奇病にかかってしまったらしい。  対策は、もちろん、わからない。  夏休みの最中の出来事だったから、不幸中の幸いだったかもしれない。  でもお母さんは泣いていた。  「かわいそうな千夜。何が起こっているの。どうして……」  自分の身に起きている事だけど、理解を超えているものだったからか、私は妙に冷静だった。  私まで悲観したら、お母さんもお父さんも、きっと、もっと辛いだろうから。
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