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護衛が必要なのは、大和の方なのだ。シェリエの生粋から、亜空間を与えられる存在のゲートキーパーは生まれる。その生粋が、激減しているのだ。それは、生まれる前に、皆、死亡してしまうせいだ。
「でも、だからこそ、大和を得ている存在は、宇宙一の強さを誇るという証明になる」
梶佐古が、ため息交じりに俺を見る。
「……孝太郎の亜空間に残されている、遂殿(とげどの)と包国(かねくに)が必要だよな。それで、俺達は最強のチームだから」
俺達に亜空間を抜けさせて、残っていった二名の仲間。俺も、考えると、苦しくなってくる。戦場に仲間を残して、こんなことはしていられないと。でも、今、助ける術がないのだ。
「時季と響紀も、五羅の気持ちには気づいているのでしょうけど、ままならないですよね」
纐纈は、大和と仲がいい。他にここにはいないが、火威(ひおどし)も、大和と気が合っていた。
「最強を維持するのは、想像以上ですからね」
最強の称号の辛さ。でも、それよりも最愛の人を奪われているということが、辛いのであろう。
大和の恋人は、時季と響紀の二人であった。
どちらかは選べなかったので、二人を選んだ大和。大和は、二人を命と等しい存在と言う。
「しかし、大和もいいチームを造っていますよ。百武と同等の存在の、左雨(さっさ)が面白い」
梶佐古も、大和を分析していた。
「さてと、祭りの前に、仕事をしてこようか。孝太郎の出現するという予測地点で、小競り合いが続いているようだからね」
孝太郎には、信者が存在していた。たった一人で、全宇宙と戦った男は、テロの象徴的な存在であった。
その信者達が、孝太郎の出現を手助けしようとしているのだ。しかし、孝太郎の出現を阻止しようとしている者も多く、小競り合いが続いていた。
「どうしようとしていますか?」
場所があるから、小競り合いが続くのだ。
「場を吹っ飛ばす。どのみち、孝太郎は出る場所など選ばん」
力技に、纐纈と三改木は笑うが、梶佐古は深くため息をつく。
「火威も誘わないと怒りますよ」
火威は、重傷で長生きできない状況ではあるのだが、それでも今は雪家と逢引中であった。火威は、死ぬ寸前に亜空間で時間を止めたままになっている。時間が動き出せば、即死してしまう。
「火威、雪菜ちゃんと結婚するとか。したとか」
火を使う火威と、雪を使う雪家は真逆のようで近いのだそうだ。
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