第1章

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「……、行ってもいいよ。でも、責任を持って育ててね」  大和は、あっさりと熊二匹を外に出していた。  気分が削がれてしまったが、仕切り直して、大和をベッドに誘い込む。幾度もキスを重ね、大和の服を脱がした。そして、自分の服を脱ぎ捨てる。  時季と、響紀に愛された大和の体は、しかしシェリエの特性のままに、いつも処女のようであった。小さな刺激に狼狽え、大和が顔を背ける。  胸を舐めていると、何か、物音がした。無視して続けようとしたが、物音のする窓の外がどうも気になる。それは、大和も同じようで、大和は服を掴むと、窓へと歩いていた。  庭には巨大な熊が、発情期になっていた。何も巨大化しなくてもいいだろうに、庭いっぱいに、転がる熊しかいない。  窓からは、皆が、呆然として見ている様子が分かる。 「ノノノウ、雪緒、紫狼!山に行け!」  大和の号令に、三匹が山へと消えて行った。 「よし!」  又、大和の服を脱がせる処からやり直しになってしまった。  少年のような大和の肢体は、しなやかで細い。無駄な肉など微塵もなく、浮き上がる鎖骨や、肩甲骨がきれいであった。でも、どこよりも気になるのは、そこではない。両足を掲げてやっと見えた、絶対の場所。 「……きれいだ」  この赤ん坊のような、肌に色。使われた事がないような、締まりと弾力。 「見るな!」  指すらも入らない。  舐めてみると、微妙な震えまでもが伝わってくる。大和の腹部に手を這わせ、これから入れると小さく宣言してみる。  指を添え、再び、細かな感触を楽しむ。指に合わせて、大和が震え、歯を食いしばる。指を差しいれると、大和から呻き声が漏れ、更に歯を食いしばっていた。 「力を抜いて。指の血が止まる」  そういう問題ではないが、小さく大和が笑った。その瞬間に、奥まで入れてみると、中の狭さを確認する。  これは細い。かなり、きつい。  少しは慣らされていると思っていたが、間違いだったのかもしれない。  でも、嬉しい。  ここを慣らすのは、俺なのだ。 「……五羅、絶対にここに帰って来い」  こことは、今、指に翻弄されている箇所であろうか。 「ここに?」  指を動かすと、大和が背を逸らして嫌がってから、首を振った。 「……鬼同丸は五羅の家だ」
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