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俺は、大和の背を見ながら、帰りたい場所を確認してみた。やはり、ここに帰ってきたい。狭く熱く、締め付けて絡みつく。どこよりも、大和らしく、相手を受け入れようと必死にみえる。
こんな場所で愛し合うのは邪道とも思うが、どこまでも深く、そして本能で繋がりたいのだ。
「すまん、入れる」
ここが、俺の居場所であった。受け入れられない、大和が溺れるように足掻いていた。じっとりと寄せ、やや力任せに開いてゆく。やはりというのか、たやすくは開いてゆかない。
「……五羅、早い。……まだ、ダメ」
あと少しで、半分か。慌てる大和が、ベッドにしがみ付く。その手に、自分の手を重ねる。
「痛い!五羅、ダメ……」
唸っている大和に、残りをゆっくり埋め込んでゆく。ここに俺がいる。
「大和、俺がわかるか?」
「……分かるよ……」
ゆっくりと、でも確実に、ここに俺を刻む。
「腹が重いし、切れそう……」
「いいね」
どこがいいのかと、大和が文句を言う。夢ではない、これが大和であった。
「俺は、時季と響紀を選ぶからね。絶対に五羅を選べない」
仲間優先で、誰よりも泣く。それでいいのだ。でも、ここには俺を覚えさせる。
「じゃ、動くかな」
動き出すと、大和から小さく悲鳴があがる。でも、ギチギチだった箇所も、少し慣れてきたようであった。
「五羅、約束だからな。絶対に帰って来いよ」
「おうよ」
帰ってきて、又、しなくてはいけない。
この愛おしい体を慣らしてゆきたい。絞るだけのここを愛欲の場所にしたいが、まだ先になりそうであった。結構、きつい。
「いや、あっ、痛い!」
痛いのならば、締めるなと言いたいが、必死の姿を見ていると、言えない。
「下手くそ!」
それは、どっちなのだ。俺は、これでも、男女ともに経験は多い。こんなに、拒絶されたこともない。
「いっ、て。ダメ、早く、終わらせて……」
喘ぎ声が聞きたいが、罵倒と悲鳴に消されてしまう。悲鳴はいいが、罵倒は悲しい。
「終わったら、さっさと出して」
情緒もない。
「しかし、時季と響紀、よく頑張ったな」
「まあね」
疲れたのか、大和が転がりながら、俺から離れようとする。俺が、腕を伸ばすと、嫌そうに大和がこっちを向いた。
「そんなに、嫌そうな顔をしなくてもいいだろ」
「こんなに痛いのは初めてだよ。中がダメみたいだ。薬を塗ってくる」
嫌なのではなく、痛いのだそうだ。
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