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裸で歩いている、大和の肢体を見て楽しむ。ちゃんと薬も用意していたのか。
「……ソニアに言われたよ。たいした体じゃないのだから、出し惜しんでいる場合じゃないってさ。明日は何が起こるか分からないのに、後悔を残すなってさ」
それで、今まで口説いても無視していたの、気が変わったのか。
でも、大切にしたい。次は、慣らす事に専念してみよう。大和を感じさせて、ドロドロになるまで、繋がってみたい。
「今日は、もうこれで次はナシね。本気で、痛い」
大和が部屋を出てこうとするので、手招きしてみた。
「腕枕で寝て」
一晩中、抱きしめていた。
「……、それ以上はナシね」
でも、キスは幾度もしてみた。
シェリエは体力が劣る。大和を休ませないのは、致命傷になる。しかし、目を閉じる大和は、どこまでも儚い。しかも、幼い。
二十二歳になるというのに、大和は、まるで少年のようであった。
また、暫しこの存在を、時季と響紀に預けなくてはならない。
早朝、山からの轟音で目が覚め。腕にいた筈の大和は消えていた。抱いたのは、幻だったのだろうか。大和の存在を探すと、庭でも騒ぎが起きていた。
「雪緒、小型化だ!」
大和に言われ、雪緒が小型化していた。
「ノノノウと、紫狼は、まだ山なのか?」
雪緒は、土だらけ傷だらけの自分の体を舐めながら、幾度も頷く。
山では木を倒しながら、激しい交尾が行われている。雌というのは、雄を嫌がる。喧嘩になり、唸りあっていた。
「巨大なので、結構、嫌だなこれ」
交尾というのが何だったのか、巨大であるので目に入ってしまい、思い知る。
しかも、子を身籠った紫狼は、すっかり野生化してしまい人間ではなくなっていた。本能で母親になっているのだ。
それを大和は、従えてゆく。
「紫狼、小型化。ノノノウ、小型化。ここに座れ」
どうして、大和の声は聞こえるのか不思議であった。
「紫狼、家に入って休め」
熊が生まれるのは、いつなのだろうか。黒須に何と説明しよう。
「雪緒、ノノノウ、一緒に風呂に入るぞ。真っ黒だから、洗ってやるよ」
熊と大和がじゃれていた。
第三章 血の華
孝太郎の出現場所を、ぶっ潰す。それは良かったのだが、無人の星ということは、管制塔もなかった。
「大和、すまん。祭りの準備で忙しいのに」
「全くですよ。操縦者を早く決めてください」
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