7人が本棚に入れています
本棚に追加
IT関連会社に勤める佐藤晃次(さとうこうじ)は、どこにでもいる普通のサラリーマン。
尊敬する営業部の課長が交通事故に遭い、仕事を引き継ぐことになった彼に突然訪れる、怒涛の一週間の物語。
*
週末、付き合っていた彼女に振られた。乗らない気分で週明けの出張研修会に参加する。
そこでバッタリと出会った高校時代の友人と、久しぶりに食事でもというところで、会社の部長から緊急の連絡を受けた。
「わかりました。明日は七時に出勤します」
入院した課長の代わりに、「課長代理」としての仕事が始まる。
課長がするはずだったプレゼンを任されたことに始まり、それまでの自分の担当のみならず、クレーム処理などの課長業務も一手に引き受け仕事が激増。
今までは縁のなかった会社上層部との付き合いや、号泣して仕事にならない部下の世話などにも翻弄され、とにかく目の前の仕事をこなしていく日々。
周りの状況の変化に戸惑いながらも、今までとは責任という面で少し違った仕事の内容に立ち向かい、上司不在のところに起こる様々な事態に自分なりに対応していく。
今までは下っ端で、上について行くだけで良かった。けれども気づくと今は、上からは引っ張られ、下を引っ張るという立場に。
一週間という短い間にこんなことにもあんなことにもありながら、様々な人や出来事との関わりを通して、人として、社会人として、ちょっぴり成長していく。
*
せめてプライベートは静かに平和に過ごしたいとの願いも叶わず、家族の行事ごとに駆り出される週末。
「どうして、俺の部屋から?」
やっと全てから解放され、帰宅に向かう。その道すがら目に飛び込んできたのは、自宅マンションを巻き上げる大火の炎。
呆然とその炎を見上げながら、佐藤晃次の怒涛の日々がエンドロールと共に一旦幕を閉じる。
(あらすじ 以上)
最初のコメントを投稿しよう!