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「提督ー。お腹すいたよー。」
「自分でなんか食べろよなー。ちびっ子じゃあるまいし。」
「提督の作る味噌汁好きだからさー。ついつい待っちゃうんだよねー。」
「はいはい。じゃーちょっと待ってろ。すぐ作るから。」
「はーい。」
艦娘は真夏の炎天下だろうが、真冬の嵐の中だろうが出撃する。
遠征に行けば長い時間を海の上で過ごすことになるのだ。
無事を祈る他に何かできないかと考えたものが豆腐とネギとお揚げを入れた味噌汁。
これを帰投した艦娘にふるまったのだ。
豪華なものとはとても言えないが好評で特に北上は気に入ってくれたようで今も毎日のように作ってくれと頼んでくる。
「でもやっぱ北上の味噌汁を飲んでみたいもんだな。」
「あー、無理だねー。私料理とかテンでだめだし・・・。」
「まぁ、鎮守府でも炊事は間宮さん達が準備してくれてたしなー。掃除洗濯は俺がやってたし。」
女々しくも数少ない俺の特技が役立った瞬間だった。
家事全般、裁縫も少しはできる。
「おかげで私たちは気兼ねなく休めて、万全の態勢で出撃できたんだよねー・・・。本当にありがとうねー。」
「俺なんか何もしてねーよ。椅子に座ってハンコ押すだけが暇だったんだ。」
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