神無 ―カンナ―

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「……分かりかねます」 「諸説あるが……三割だ。三割も同胞は寿命が尽きた」 「……そんなに」 「このまま行けば、我々はどうなる?」  答えに窮する。結界が破られてから赤子が生まれたと言う話は聞いたことがない。神鳥が消えたのだから、もはやそのような工程は存在しないのかもしれない。このままの勢いで減っていけば、1000年経たずして、まほろばから神がいなくなる。 「だからと言っても、力も持たぬ我々にはなす術が――」 「燿よ、お前は失せ物を見つけるのが得意だったな」  神々の中にも得手不得手がある。土地を大きく捻じ曲げるのが得意なものもいれば、新しい生命を生み出すのか得意な者もいた。  その中で燿の力など地味なものにしか過ぎない。
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