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伝手から孝助を知り、ならば家で奉公しないかと提案した。恩を感じているのだろう。まだ幼さか残る年頃なのに、すがりつくかのように必死に働いてくれている。
神ばかりではないのだ。神がここから追い出されれば、亜神の生きる術もまた失われる。
孝助の、そして孝助と同じ境遇の子たちの居場所を守ってあげたいと思った。危険を冒してまでこの街に来た一番の原動力は神を守ることより、むしろ亜神を守りたいという気持ちの方だと言える。
老師が訪れるまでは、心のどこかで今の生活を受け入れてしまっていた。雪の景色、鳥のさえずり。何だ、今の生活も別に悪くないじゃないか。そう、いい部分ばかり注視していた。
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