4人が本棚に入れています
本棚に追加
「な!?なんだ!?」
「うわぁぁぁあ!!!!」
「敵襲!!敵襲!!!」
「まて!?馬ばかりだぞ!?」
大混乱に陥った謎の軍勢は駆け抜ける馬達の蹄に掛けられて蹴飛ばされたり、踏みつけられていた。
しかし大部分は実際には上手く避けて峠を駆け下りる馬を避けようとして、逆にぶつかったり踏みつけられたりしていたのだ。
被害というのは騒動の割には少なかった。
その事に気付き始めた者が、必死に混乱を収拾しようと声を上げ始めた時だ──
「ぐぁあっ!!」
「こいつらどこから!?」
「剣を取れ!!敵襲!敵襲ー!!!」
東西の山林から飛び出して来た徒だちの軍勢が混乱に乗じて突撃して来たのだ。
勿論それはユリアンの軍勢だった。
先頭を切って突入しているのはなんと馬に乗ったまま急斜面を駆け下りたイシュルト部隊だ。
大剣を振り回すサイールと、赤い髪を靡かせて跳ね回っているシュアン王女の姿も見える。
後に続いて小剣を振るう隻腕のクラトと長剣ですばやく敵を斬り伏せるユリアンが居た。
最初のコメントを投稿しよう!