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祖母はすぐに助けにきてくれた。
敦子の家にくると、祖母は救急車をよんだ。
それは、ただそばに立っていた。
救急車が来ると、敦子はストレッチャーにのせられた。
それは、ただ黙ってみていた。
敦子をのせたストレッチャーが玄関に向かった。
それは、その場に立ったままだった。
敦子は、それに叫ぼうとした。
「あなたがそばにいてくれたから、わたしは生きていられた」
「あなたがそばにいてくれたから、わたしは生きていける」
敦子は必死に手を伸ばそうとした。
でも、体が固定されて動けない。
それは、敦子を見つめていた。
そして、静かにささやいた。
「あーちゃん。だいすき」
玄関が音をたてて閉まっていった。
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