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あの日以来、敦子がそれを見ることはなかった。
敦子は祖母の家に引きとられ、そこから高校に通うようになった。
敦子が高校にいくために家をでようとすると、祖母が声をかけてきた。
「あーちゃん。大好きなおばあちゃんがいるから、もう大丈夫だよ」
敦子は、うなずきながら祖母に背を向て玄関をでた。
そして、小さな声でささやいた。
「違うよ。あの子は、あーちゃん、だいすきって、いってくれたよ」
敦子は、扉をしめて走りだした。
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