あーちゃん だいすき

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 敦子が小さい頃から、それは部屋の隅にたっていた。  何もしない。  ただ、細い目でじっとこっちを見ていた。  それがいつから居たのかは分からない。気がついた時にはそこにいた。  敦子が小さい頃からいたのだろう。  敦子は、何度も両親にそのことを話したが、両親は取りあわなかった。  座敷童。  友達に話したときに、その名前をきいた。 「悪さはしない。家にいると幸せが訪れる」といっていた。  敦子は、いつしか気にしなくなった。  そして、それが居るのかも分からなくなった。
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