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~黎海高校~敷地内・グラウンド 「オルルァー! くたばれぇー」 大きな声で叫びながら辛はその手に持ったライフルの引き金を引いた。 ターゲットは正面を逃げるキョウスケ。 引き金が引かれた瞬間、銃口から勢い良く水が発射されキョウスケに襲い掛かった。 「やべぇ! ちょっ、待て!」 キョウスケが避ける間もなく制服が水に濡れた。 キョウスケのそれを見て辛がガッツポーズをする。 「おっしゃ~! キョウスケ討ち取ったりー!!」 地面にひざまずくキョウスケの前に立ち、辛は不敵な笑み丸出しに言った。 辛の撃った銃【コンビニや店頭で好評販売中の水流発射式エアガン750円税別】の威力はなかなかのようで、キョウスケの制服は見事に水流に敗れ、透けていた。 「フッフッフッ、まだまだだねぇキョウスケ君。 こうもたやすく討ち取られるとは。」 何かの武将にでもなったかのような口調でキョウスケに言葉を投げ掛ける。 しかし、その瞬間辛の頭からバケツをひっくり返したような量の水が浴びせられた。 その水流にかなわず手に握った銃まで落とす辛。 そんな男子生徒の背後上の非常階段にバズーカ【特注品の水装填式水大砲】を肩に担いで構えた雫が微笑んでいた。 「全く…なんたることですかぁ~ 戦場で気を抜いて女子にやられるなんて… 闘志を燃やすべき男子には考えられない事ですよ~。」 ずぶ濡れの男子2人の前で雫がブスッと言葉を漏らした。 水が滴ったおふざけ男子2人は互いに寄り添って何か話し始めた。 それを見て雫が再びバズーカを構える。 「何やってるんですかぁ~。 2人まとめてキレイさっぱり流して差し上げますよ~。」 と発射しようとした刹那、辛とキョウスケが雫に振り返り同時に銃を向けた。 「お前に男の何が分かるんだよー!」 かんかん照りの太陽が地を焦がす昼の5時間目。 今日の体育はグラウンドで水鉄砲を使った討ち取り訓練が実施されていた。 夏の高校の涼しい一場面…       -完-
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