第二章

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昨日はそのまま俺を一発平手打ちにして帰っていった時雨くん。  絶対おかしい。 絶対時雨くんの方が罪が重いはずだ。 なぜ俺が約束を時雨くんに破られ、わざわざ殴られなくてはならないのだ! 平手打ちだからよかったけど!ってよくない! 大体俺は時雨くんに甘い!甘すぎる!! だからなめられるのだ! そう!まさしくペロペロキャンディー並みに! 俺はあのカタツムリみたいにぐるぐるしたバカにしか見えないのだ!あいつは! くそぅ……っ、くそぉぉぅ!! ガンガンッ、と拳を机に叩きつける俺にたいして隣の席の女子。 斎藤さんが若干引いた目で俺を見ている。 気づいてるよ。うん、おかしいよね俺。 「なにやってるの?悟くん。気持ち悪さがより拍車がかかってマジキモだよっ!」 突然ひょっこりと表れて俺を指差してきゃぴきゃぴしやがってんのは富岡時雨。 「うるさぁぁぁい!どうもこうもお前のせいだ!」 指をそらそうとするが動かない人差し指。 うそだろ。俺の片手VS時雨くんの人差し指で 勝負が成立してしまうなんて。 さ、さすが元美術部!! 「人のせい?え、お前のキモさを人のせい?やめなよ。そういうのプリキュアみてるおじさん。」 「いいじゃんか!別にぃぃ!おじさんがプリキュア観てたってぇぇ!というか今の話に共通点がよくわからない!」 「美智子ちゃんのパパがプリキュア見てたから……」 「やめなさい。わかった。よくわかったから美智子ちゃんのパパの楽しみを奪わないであげて。」 「しかも、俺と目があったら」 「あれ、まって。色々スルーしてたけど家にいったの?美智子ちゃんの家にお邪魔したの?」 「何言ってるの?邪魔はお前!」 「えっ!?」 「『ち、ちがうんだこれは!じ、実は美智子が!』なんて言い訳してきたからさ。もうこれは悟だなって」 「なんで俺。」 「……お前そっくり。」 「いやいやいや!」
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