第一章

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人との約束は大切なものだと俺は思う。    約束を破られたり、軽く見られていたりすると悲しくなるし、怒りたくなる。 それに、約束を忘れているのなんて論外。 あり得ない。 もうそんな人とはえんがちょしちゃうくらい俺はショックを受けたのだ。 約束を破られた瞬間、 俺はただ呆然とその背中を眺めることしかできなくなり、頭のなかは真っ白になっていろんなことをぐるぐる思考させていたらいつのまにか不良で有名な田中くんにぶつかって怒鳴られて怖くなってまた落ち込んでしまうくらい俺は悲しかったのだ。 許せない。断じて許すまじ…… 富岡時雨! とみおか、しぐれ。 そう、俺と約束をしたあの甲斐性なし野郎! 最低!最低! 今日は俺と一緒に帰るって言ってたくせに! くせにぃーーー! なんとあいつは学校一の美少女! みんなのアイドルである五月美玲さんと一緒に帰ったのだ。 しかも腰に手を回してたんだぞ! 破廉恥な!うらやましい! じゃなくて、裏切り者!! 俺は絶対許さない。 今度こそはほだされない。 負けない。 負けないぞ、 負けてたまるか! このフツメン代表、前田悟が…… あ、読める?まえださとるが! あのイケメンくそ野郎!うらやまっ!時雨くんを! 成敗してくれるわ! にんにん! 「ふーん、まぁ、ご託はいいからかかってこいよ?」 ここは俺の家です。  前田の表札があるはずです。 まさかだとは思うが俺のお隣さんの富岡と間違えたのかな? まあ?富の字に田んぼの田があるものね。 間違えることはあるよねーあはは。 でもさ?百歩譲って表札を間違えるのはいいのだ。 別にいい!このおバカさんめっ!と小突いて笑い合う良心くらい俺にはある! なんで俺の家の俺の部屋の、俺のベッドで寝転んで どうして俺のうす塩ポテチをバリバリ食べているの? なぜ俺の漫画を読みながらリラックスしてやがるんだ!!富岡時雨ええええぇぇえぇ!!くん! 「俺がお前に勝てるとでも思っているのか!負けるとわかっている戦に出るようなバカではありまっせーん!まずは警察に不法侵入届けを出して!」 「おばさんにいれてもらったんだけどなぁー」 あんのくそバ!っ、ゴホン、お母様!!!
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