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「…なんとか間に合ったようだが…おそらく時間が無い…」
薄暗い書斎でロウソクの灯りだけで紙に何かを書いている男が呟いた。
「本来なら…俺たちの代で…いや、子供達を信じるしか無い…あいつらの使命が…世界を救う鍵だ…」
ボソボソと呟いたかと思えば紙を封筒に入れ、外に出る。
「あなた…!時間は…時間は大丈夫なの…?」
廊下を歩いているとまだ30代であろう若い女性が心配したように近づいてきた。
「分からない…ただギリギリで間に合った事だけは確かだ、余裕は無いがコレばっかりは仕方のない問題だったんだ…」
男は女性の肩を抱いて悔しそうに囁く。
「そう、よね…この手紙は私が出して来るわ、あなたは…」
「…頼む、俺たちの使命も…いよいよ大詰めだ」
女性に封筒を渡すと男は決意を決めたような顔で歩き出す。
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