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第3話 Crybaby
戒斗がしばらく会えないと云ってから二週間。
夏休みはもう目のまえに控えている。
叶多は部屋に入ると遮光カーテンを開き、レースのカーテン一枚にしてバッグを机の上に置いた。
南向きの部屋は明るくて好んでいるものの、夏場、学校から帰ったときのむっとする感じはいただけない。
千里が気を利かせてエアコンをつけてくれればいいのに、そう頼んでみたら帰る時間が当てにならないからと一蹴された。
確かに、気まぐれで寄り道することは多々。
かといって“帰るコール”をするのはつい忘れてしまい、電話しておけばよかったと家に着く頃になってから思いだす始末だ。
戒斗へ電話したい気持ちは思いだすまでもなく、ずっとあるのに。
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