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告白されたというのは同級生の子の話を借りた嘘だ。
ただ、維哲から、戒斗と会える――もしくは話せる方法が何か得られたらと思っていただけだった。
維哲がべらべら喋るわけはなく、けれど、なんとなく引っかかる言葉を漏らした。
黙っているということはつまり重要ポイントだ。
「お兄ちゃんっ?」
『単純思考のお嬢さま女子高生だって思ってたけど、おまえもやっぱ有吏末裔(マツエイ)だよな』
「何それ!?」
『褒めてんだよ。重要ポイントを聞き逃さないところ』
叶多が攻撃しかけると、維哲は笑いながら感心したふうに云った。
『あんまり詳しくは話せないけど、戒斗がそういう気持ちを持ってるんなら、おまえもある程度は知ってもいいだろ。おまえ、有吏の家をどう思う?』
「どう思うって……すっごくおっきい!」
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