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僕の人生は、至って普通なんだろう。 漠然とそう感じたのは、小学校2年生の通学中だった。 学校までの道のりを一人で歩いていると、何人もの同級生や先輩や後輩に追い抜かれていた。 あの頃、僕は足元に落ちている石や葉っぱや、どこへ向かうのかわからない蟻や虫に興味があった。 空の雲がどこへむかうか、飛行機にはどんな人がのっているのか、宇宙人はいるのか…… そんなことを考えながら歩いていたら、タンポポを見つけたんだ。 多分タンポポはずっとそこにあったし、昨日咲いたか今日開いたかわからないけれど、根をそこに降ろして何日もたっていたはずだ。 そうでなければ、そこに咲いているはずはないから。
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