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「さあ、始めましょう。審判の時間です。」
「あなたは誰です?私はどうしてこんなところに?」
「ここは地獄。あなたは死人。それも罪人。これより地獄行きの年数を決めます。」
「な、なんですって。」
「聞き返しはしないように。すでに審判は始まっています。私とあなたが発する一言に付き5年、あなたの地獄は長引きます。」
「そんなご無体な!」
「そのような発言もカウントされます。これをご覧ください。」
「これは、カウンター?いま、17となりましたが?」
「我々のここまでの発言数です。これに5を掛けて、あなたの、いうなれば刑期とするのです。」
「20になった。もう100年、いや105年。うあー!」
「死人に寿命はありません。ですから何年になろうと、全うしていただくことができます。」
「早く始めましょう!」
「それでは、あなたの罪と最期について述べてください。嘘はつかずに。」
「つまらない人生でした。最後は冤罪で死刑です。」
「嘘をつきましたね。私の手元には記録があります。嘘を一つつくごとに20年。そのとき発した言葉は一つに付き10年のカウントです。冤罪という嘘で20年、二言話されたのでこれも20年、計40年の延長です。真実を言いなさい。」
「先に言え畜生め!強盗殺人と放火で死刑だよ!」
「はい。では釈明や被害者への謝罪をどうぞ。いま、魂がいらしてますので。」
「どこにそんなものがいやがる。どうでもいい。」
「そうですか。彼らの気持ち次第で謝罪の文字数の分だけ年数を減らして差し上げられるのですが。ではそろそろ。」
「おい待ってくれ。すまなかったと思っているよ。」
「生前は謝罪がなかったそうですが?」
「その場に謝罪するべき人がいなかったからさ。家族全員を殺してしまったから。本人たちには本当に申し訳ないことをしたと思ってる。」
「嘘ですね。あなたは犯行後も笑いながらご遺体を切り刻みました。目当てだった娘さんは135回切られていました。90年の追加です。」
「そんなことまで知ってやがるのか」
「ではここまで。通常の発言が50回。嘘が3回。それに伴う発言が7回。締めて、380年の地獄行き。」
「わー!助けてくれ、許してくれえええ。」
「今のは減刑してあげてもよかったそうです。15文字。一文字三年が相場として45年の減刑でしたね。ではこれにて閉廷。」
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