出会いは突然に…

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銀行で用事を終え、家に帰って何をしようか考えていると、例の駐車場の前に差し掛かる。 すると。 「ミー、ミー!」 あの声がまた聞こえた。 駐車場に目を向けると、縁石の近くに白くて小さい何かがいた。 声の正体はそれだった。 駆け寄ってみると、それは私の手のひらサイズぐらいの子ニャンコだった。 だが、何かがおかしい。 顔を見てみると、目は目脂(メヤニ)で塞がってしまって見えない。 しかも顔は黄ばんでいる。 思わず子ニャンコに対して私は、 「お母さんは?」 と話し掛けたが、当然返事はなく、親ニャンコの姿もなかった。 しかも場所は車通りの多い道沿い。 道路に飛び出してしまったら…と想像するだけでも嫌だった。 私は迷わず子ニャンコを抱っこし、家路を急いだ。 帰宅すると、仕事前で家にいた姉に事情を話し、先ずは目を塞いでいる目脂を綿棒で取ってあげる事にした。 姉が子ニャンコを抱えていたが、子ニャンコはやっぱり怖いのか、姉の手を引っ掻いたり噛んだりしていた。 少しずつ目脂を取り除いていくと、子ニャンコの目がようやく開…いた…が…。
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