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『ちがうちがう。』
こんな状況で辞めたらそういう人間として人の記憶に残る。それを避けたいだけだと蒼井に伝える。
『それに今のタイミングで辞めたら、女将のいじめが原因みたいになるやろ?』
『でも、それが原因でもあるじゃないですかっ??合ってますよ!そう言ってやりましょうよ!』
蒼井の湯気は天高くのぼる。
『でも最後はどちらにせよ記憶から消えるよ?』
武石が小声で入ってきた。
『ふっ・・って意識がなくなるまで居てみようかと思ってねー。』
美帆子は片手を小さく振ってその場を離れる。
『ほんまに、江沢さんは。』
『自由な子供やなぁ。』
武石はため息をつきながら、いつも美帆子が見ている海へと視線をやった。
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