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翌日は休日となっていたため美帆子は西へ車を走らせた。國見の実家まで約1時間半。
運転が苦手で高速などまず走れなかったのが、今回の出来事でゆっくりながら走れるようになっていた。
眠気で途中に休憩をはさむから到着までに2時間少々かかり、國見の顔を見る頃には深夜を過ぎていた。
『おかえり。』
國見は綺麗に飾られた祭壇の前でコーヒーを飲んでいて、普段は絶対に口にしない甘いものが並んでいた。
『ただいま。変わりない?』
美帆子はそれを手にとって包みをほどく。
『親父の様子がおかしいから寝ずに見てるんやけど、ちょっと疲れてきたかな。』
妻に頼りきっていた夫もまた、息子以上に弱っている状況。
『今夜はあたしが様子見とくから、課長はちょっとでも寝てて。』
『ありがとう。』
言い終わるかどうかのところで國見は目を閉じた。
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