手紙

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あれから、何年たったんだろう。 僕は、最愛の人を亡くした。 ある日の夕方。 お墓の前で手を合わせ、君にいろんなことを語りかける。 聞いちゃいないんだろうけど、それでも、伝えたくて。 いつもなら、それで終わりだったはずだ。 でも今日は違った。 一通の手紙に気がついたんだ。 小さな隙間に、隠れるように置いてあった。 誰かの忘れ物か、故意に此処へ置いていったのか。手にとって確かめる。 表には僕の名前と、裏には、君の名前。 もしかして、僕の思いは通じてたのか、それとも誰かのイタズラなのか。 どちらでもいい。僕は慌てて手紙の封を切った。
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