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手紙は、何度も書き直されていて、シワシワだった。
君の涙なのか、僕の涙なのか、インクが滲んでしまっている。
もし、本当に君からの手紙なら、言い逃げなんてズルいよ。
僕も伝えたいことがたくさんあるんだ。
元気だよ。
実は新しい仕事探そうと思ってるんだ。
僕は料理が得意だから、心配要らないよ。
ペンダント、大事にしてる。
妬いてくれる相手はいないし、もちろん結婚なんかしてない。
ずっと、君一筋だから。
そこそこ幸せだよ。
君を忘れるなんて絶対ない。
僕も初恋だったんだよ。
それに、叶ったじゃないか。両想いだった。
僕の方が愛してる。ずっと。
謝るのは僕の方だ。
感謝するのも、僕の方。
さようなら、なんて言わないでくれ。
また、こうやって会えたじゃないか。
確かにもう顔は見れないけど、まだ繋がってるよ。
大丈夫。だから泣かないで。
僕は声をあげて泣いた。
周りなんて気にならなかった。
顔が熱い、胸が締め付けられる。
苦しくて仕方がなくて、僕はそこにうずくまった。
会いたいよ。
君ともう一度会いたい。
会って伝えたい。
何十年たった今でも、こんなに想ってるんだ。
まだ、愛してるんだ。
熱は冷めることなく、僕の胸を締め続けた。
僕は祈る。
ただ、君の幸せを。
僕は願う。
また、君と会えますように。
暗くなった空に咲いた星たちが、それを叶えてくれる気がして。
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