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いつもの彼女じゃない人のレジを受けて、不思議な気持ちで過ごした翌日。
講義が終わり、家に帰ろうと電車を待ってたら、俺を指差してきた女がいた。
知ってる顔じゃないのに、いきなり指差されていい気がしなかったけど、向こうは半ば強引に俺の腕を掴むと、どこかへ連れて行こうとした。
いきなりの事で理解が追いつかなかった俺は、少し抵抗をみせたけど、迫力ある彼女のひと睨みで、ピタリと止めた。
目的地が何処なのか分からない状態で、腕を引かれるまま黙ってついて行く途中に、その人から説明を受けた。
俺を何処かへ連行しようとしてる人は、本屋で働いてた彼女の友達で、彼女の見送りに連れて行こうとしてる様だった。
どうやらあの彼女は、今回の辞令で本社へ転勤となったみたいで、俺が風邪で寝込んでた日に、あの店舗での最終勤務日を迎えていたそうだ。
そして今日は、彼女の引っ越しの日で……乗る予定の新幹線は、後1時間ないぐらいだそうだ。
だから、今から駆け付けて、彼女の見送りをして行けと、彼女の友達から言われた。
別に……彼女とは、付き合ってないし、友達でもない。
ただ、あの本屋で会う時の、ちょっとした顔見知り程度だ。
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