名前も知らないままで

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   向こう側に、居るんだ。 あの時の、彼女が……。 3年前、窓ガラス越しで見送った、あの彼女。 俺がジッと見つめていたからか、視線を感じたらしい彼女と目が合った。 彼女も直ぐ俺だと気付いた様で、3年前と同じく、驚いた様に目を見開いて、ジッとこっちを見つめている。 あの時は、見つめる事しかできなくて、何も言えやしなかった。 けど、この信号が青に変わったら……。 さて、まずは何から話そう? とりあえずは、自己紹介から始めようかな。 《終わり》
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